16Apr
前回の記事ではクロワッサンのサクサク食感と折込油脂の固さが大きく関係することを解説いたしました。
今回は折込についてもうすこし具体的な改善策をしようと思います。
折込の際のひと手間でクロワッサンの層がガラリと変わる裏技
クロワッサンの折込方法には様々な種類があります。
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私が知っているので3種類。
- 風呂敷包み
- 観音折り
- 二枚折り
お勧めは前者二つです。
風呂敷包みが一番一般的です。あらゆる書籍の大半が風呂敷包みで説明していますよね。
私は観音折りで折りこむことがほとんどです。
どちらがより優れている方法でもなく、一長一短あります。
風呂敷包み | 観音折り |
---|---|
延ばしにくい | バターが飛び出やすい |
観音折りは風呂敷包みよりもバターが端まで行き届きやすく
折込層が出やすいです。
だけど、最初に伸ばす方向それぞれからバターがはみ出る恐れがあります。
バターが柔らかい場合はヘタな人がやると麺棒にバターがへばりつく場合もあります。
それを防ぐために、延ばす前に両端を麺棒で抑えてバターの出口をふさぎます(動画参考)
風呂敷包みは四方からバターを包み込みますので、バターがはみ出る心配はありませんが
折り畳みが増えますので生地にコシがつき延ばしにくくなります。
バターの管理をしっかりやれば(溶けそうになる前に冷蔵庫に入れて冷やすなどの工夫)
観音折りのほうが作業時間が短くて済み、折込層は割れず良いクロワッサンが出来ます。
不慣れな場合は風呂敷包みの折込で挑戦してみましょう。
初心者の私が2か月でお店で一番のクロワッサンを作れるようになった理由
多少大げさかもしれませんが、私はクロワッサンの折込を習って
早い段階で先輩に褒められるようなクロワッサンが作れるようになりました。
その理由は私のセンス…と言いたいところですが違います(汗)
私が習った先輩がスゴ腕のパイ折込職人だったからです。
その先輩が作ったクロワッサンはオーブンに入れると一気に膨らみ
非常にボリュームのあるサクサクのクロワッサンが出来上がります。
クロワッサンの味は折込作業の良し悪しで決まると言っても過言ではありません。
どんなにパンを焼くのが上手なオーブン担当者でも
ヘタクソな折込で作ったクロワッサン生地では出来上がりも最悪です。
その先輩が教えてくれたのが端を落として中に入れ込む折込方法。
この方法だと、バターが行き届きやすく、失敗もしにくい。
ただ、生地が十分に冷えていないとやはり失敗しやすい。切り口からバターがはみ出てくる。
クロワッサン生地は―15℃のショックフリーザーを使って短時間で固める。
そんなもの家にあるわけがない。
なのでクロワッサン折込は緩んだら冷凍庫に入れ、また伸ばしを繰り返すことでようやく上質なクロワッサンが焼ける。
僕はパン教室のレッスンでクロワッサンとデニッシュは冬季限定にしている。
なぜなら夏場に家庭用の冷凍庫ではろくなものが作れないと踏んでいるからだ。
それでも先生と言えるのかだって?
高価なバターを無駄にしてろくでもないクロワッサンを作るぐらいなら最初から作らないほうがマシだよ。
クロワッサンって冷凍してどのぐらいもつの?
ベーカリーで勤めていた時はクロワッサンの冷凍保存なんてしたことがなかった。
だってクロワッサンはお店の看板商品ですからね。
そんなテキトーなことはできないのです。
でもさ、クロワッサンはほとんどみんな冷凍のクロワッサンを食べてるんですよ。
ご存知でした?
スーパーのベーカリーはもちろん、神○屋、○○・ド・フランスもそう。
かの有名な○○マルクのチョコクロも冷凍だよね。
で、実際にやってみたところ4日冷凍庫で眠らせたクロワッサンもなかなか美味しくいただけました。
膨らみも1~2日目のものに比べるとボリュームは劣りますが
まずまず美味しいものが出来ますよ。
コツは出来るだけ薄い状態で冷凍し
解凍は冷蔵庫で行い、マメに生地の固さをチェックしてあげることです。
解凍しすぎるとダメ。発酵して層がなくなります。気を付けて。
サクサクのクロワッサンは「やさしい成形」で絶対に作れない3つの理由に続く