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手作りパンの大事典

バターを投入するタイミングをもう少し詳しく教えてください。


Question:
バターを投入するタイミングについて質問です。

まずパンをこねる過程ですが
①生地をこね始める
↓(a)
②生地にコシがでてきて伸びにくくなる
↓(b)
③生地を伸ばすとちぎれずに伸びて、うすい幕ができる程度までこねる
↓(c)
④捏ね上がり

のようなフローですよね。

バターを入れるタイミングですが、一般レシピ本だと(c)というのが大体のところの様に感じます。つまり薄い膜ができるまで生地を捏ね、それからバターを生地全体になじませて完了、というフローです。

でも先生のミルクハースのレシピを拝見すると、生地がつながったと感じたらバターを投入する、つまり(a)のタイミング位でバターを生地に切り込むように練りこむ、というフローですよね。((a)にバターを投入するというのは、先生のマニュアルを読んでの私の解釈ですが、正しいでしょうか?)

是非、正しいバターを入れるタイミングを教えてください!!それともパンによってバターをいれるタイミングは多少異なるのでしょうか?

一般のレシピ本のバター投入のタイミングでは、以前先生がお話していた「バターを投入するとグルテンが一度切れてしまう」性質をフォローできない気がするのですが
いかがでしょうか?

後、よく「バターはグルテンの生成を損ねないためにいれる」と聞きますが、「バターを投入するとグルテンが切れる」という話と相対する気がします。
これはどういうことでしょうか?

Answer:
バター投入タイミングですね。

実はどの段階でも圧倒的に味が変わるといったことはありません。

あくまで作業性の問題です。

ミルクハースは
私のイメージはbです。

『つながる』という言葉に若干判断しにくいところがあるかもしれません。

『バターはグルテンの生成を損ねないために入れる』

という言葉は、どこで語られているのでしょうか?

私は大きな間違いだと思います。

グルテンの生成とは、水と小麦粉が合わさり、水和が進むことです。

あらゆる副材料の混合はグルテンの生成を妨げます。

パンはグルテンができればそれでオッケーというわけではありません。

グルテンの質も問題になってきます。

油脂を入れることによって、グルテン生成スピードは下がりますが、グルテンの伸びの良さが高まります。

油脂を含まない生地にはないしなやかさを持つことができるのです。

グルテンがある程度つながった状態で入れると
いったん妨げられたグルテン生成もカンタンに回復し、しなやかに生地になじみます。

反対に、小麦粉がまだ水和できていない状態で油脂を放り込むと、油脂が小麦粉を包んでしまい、水と小麦粉の水和がすすまず、グルテン生成を遅らせてしまいます。

少量の油脂なら問題ありませんが。

ブリオッシュのような多量のバターを配合させる場合、バター投入前にグルテン生成を9割近く完成させてからがベストです。

Question:
わかりやすい解説ありがとうございました。

『バターはグルテンの生成を損ねないために入れる』というのは、『”最後に”バターを入れるのは、グルテンの生成を損ねないため』の間違いでした。お恥ずかしい限りです。。。すみません。

バターの機能、よくわかりました。
ミルクハースのバター投入のタイミングは(b)なんですね。
食パンもやはり(b)でしょうか?よくあるレシピ本では(c)がほとんどのように感じますが。

ちなみに先生のお店では、夏向けに開発したパンなどあるのですか?
やはりフルーツを使ったものなど多いのですか?

Answer:
そうですね。
食パンの油脂を入れるタイミングは、(b)がベストかと思います。

夏向けのパンといいますとフルーツのイメージがありますが、夏は調理パンのほうがよく売れますね。

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