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フランスパン(バゲット)の作り方 | 自宅で学べるパン講座 パンレシピナビ

こめ油を配合したバターロールでオニオンブレッドを焼いてみる

前回のエントリー「【バター不足対策】植物性油のパンレシピを考案してみる」で紹介したお菓子レシピ書籍【パティスリーのためのバター不足対応レシピ】やネット情報からパンに合う油を調べた。

そしてまずは「米油」を配合したパンのレシピを考案していくことにする。

このエントリーでは、液状油をバターの代用で使用する際に知っておきたいパン作りの知恵を解説しよう。

バターをこめ油で代用してバターロール生地を作る

米油は抗酸化作用が強く、動脈硬化予防に良いとされている。
医学的なことはともかくとして、米油を使って炒めものをするとその味にハマってしまう。

コクがあるのだ。そしてお米独特の風味も感じられる。
昔、子どもの頃よく食べた「ポン菓子」の風味を思い出してしまうのだ。

今回はこめ油をバターの代用にして、バターロール生地を作ってみよう。
こめ油は近くのスーパーで購入した。写真右がこめ油。左はグレープシードオイルだ。
こめ油

高いものの方が美味しいかもしれないが
まずは製パンした場合の生地具合など見てみたいので、ひとまず手に入りやすい商品を選んでみた。

配合量は半分で

「パティスリーのためのバター不足対応レシピ」でも書かれてあるのと同意見で
まずはバターの配合すべてを植物油で代用するのではなく、配合の一部を液状油に置き換えてみるのが良い。

パン教室講師養成講座の教材レシピのバター配合量の半分で作ってみる。

バターを液状油で代用するときに注意したいこと

バターをこめ油等の液状油で代用するときに注意したいのがコネのどのタイミングで材料を入れるか?である。

油脂は通常、粉・水・イースト・塩そして砂糖など粉類と水をすべて混ぜ合わせ、しばらくこねてから入れるのが良いとされる。

もし油を粉と水が水和する前に入れると、油がグルテン生成を妨げると言われる。
グルテンは小麦粉と水をすり合わせることによって生成される網目状組織。

イーストが発生したガスをグルテンが包み込むことでパンが膨らむわけだが
油がグルテン生成を妨げるとなると、こねる時間が長引いたり、膨らみの悪いパンになったりする。

一番良いタイミングを見つけるため二通りの作り方を試した。

1.粉と水が水和してからこめ油を投入する。

2.しばらくこねてデベロップメントステージを越え、グルテンが出来上がりつつある時点で油を入れる。

結果を先に申し上げると、2.がベターであると判断する。

液状油はグルテンが出来てから、ミキサーボウルに入れると、油がミキサーボウルの底部分にたまる。
生地は滑ってなかなか捏ねられない。

この状態を見ていると、水和した直後に油を入れたほうが良いとも思えたが
実際に水和直後に入れた生地をしばらくこねてみると、今度はなかなかグルテンが出来上がらないのだ。

結果、水和直後に油を入れたほうがこねる時間がかかってしまった。

こめ油は調理パンに使うパン生地に最適

こめ油配合のパンではバター風味がやや弱くなるため、シンプルなテーブルロールを作るにはすこし物足りなさを感じてしまうだろう。

しかし、調理パンだとどうか?

試しにバター配合の半分をこめ油に替えた生地でオニオンブレッドを作ってみたが、なんら遜色のない美味しいパンが焼きあがる。

ややあっさりとした仕上がりになったが
炒めた玉ねぎとこめ油風味のパン生地がよく合う。

ぜひ一度こめ油を使ったパン作りにもチャレンジしてみてほしい。
オニオンブレッド

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