2Aug
良いフランスパンが作れない時、原因が分からず何度やっても上手くいかなくて
途方に暮れてしまうこともあると思います。
フランスパン作りに失敗した場合、その際に改善点が分からなければ
次回作る時にどの部分に注意して作れば良いか分かりません。
美味しいフランスパンを作れるようになるためには
パンを見る目を養うことも大切なことです。
的確な判断が出来れば、次回の改善点が明確になり
回を重ねるたびに美味しいフランスパンを作ることが出来るようになります。
私は受講生から相談を受けた場合、作ったパンの断面と全体写真を見て
どの部分を改善したら良いか判断しアドバイスしています。
その判断方法を一部公開いたします。
クリックすれば画像は拡大します。
写真はフランスパンの内相(断面)です。
判断する部分はいくつもありますが、この3つを最低限おさえておけば
回を重ねるごとに美味しいフランスパンが焼けるようになるはずです。
ポイント1赤丸部分
パン底部分の気泡チェックです。
通常直火焼きしたパンは、大きな気泡が底部分にたくさん出来るのが特長です。
逆に言えばフランスパン生地の底の部分に気泡が見当たらなければ
下火の温度を効かせて焼くことが出来ていない証拠になります。
家庭用オーブンで直火焼きを再現する方法で紹介したやり方で
フランスパンを焼いていただければ底部分が詰まることはありません。
ポイント2オレンジ丸部分
パンの内部をクラムと呼びます。クラム部分の気泡が詰まるケースは主に成形が原因です。
成形で生地を触りすぎたか、丸めの際に生地を傷めてしまった場合に起こります。
しかし、この判断は外皮が近い部分の気泡膜の状態がそれほど悪くない場合です。
クラム全体が艶がなく気泡膜が細かいのであれば
ミキシング(捏ね)不足や発酵不足なども考えられ、事態は深刻です。
成形の工程だけではなく、もう一度捏ねや一次発酵の工程から見直す必要があるのです。
ポイント3青丸部分
外皮のチェックです。皮の薄さをチェックします。
薄い皮が理想ですが、この際にクラム(パン内部)も見て
適切な水分が飛んでいるかも見て判断します。
皮が厚い場合、オーブンに長く入れすぎて焼きすぎている可能性があります。
この際に外皮がそれほど色づいていなければ、低温のオーブンで長時間焼いた可能性があります。
また、生地が過発酵な状態で残糖濃度が下がり焼き色がつかず皮が厚くなった可能性もあります。
食パンやパン・ド・カンパーニュ、パン・オ・セーグルなどパンによって判断方法は若干異なりますが
この3つのポイントを理解して焼いたパンを判断し、次回のパン作りに生かしていけば
上達のスピードは速まります。