28Jan
東芝オーブンER-JD510でのバゲットテストベーキング1回目が焼き上がりました。
見事に失敗。久しぶりに見た細い眼をしたバゲットです。
この結果は家庭用オーブンでのフランスパン焼成に典型的に表れるコンベクションオーブンの影響です。
業務用オーブンと家庭用オーブンの違いはコンベクションオーブンか否かです。
家庭用オーブンはコンベクションオーブンに属します。
コンベクションオーブンの特長は
庫内奥に設置されたファンが、オーブン稼働時に回転し
熱風を循環させてパン生地に熱を加えて焼成します。
このコンベクション機能がとりわけフランスパンやパン・ド・カンパーニュなどの
ハード系パンを焼成する際に悪影響を及ぼします。
フランスパンのクープは、パン生地に適度な水分(蒸気)を焼成初期に加えて
パン生地のクラスト(皮)形成を抑え、オーブンスプリングの最大化を図ります。
フランスパンの黄金色の光沢ときれいなクープは水蒸気の恩恵です。
しかし、コンベクションファンは生地表面に付着したせっかくの水蒸気を乾燥させてしまうのです。
このような状態で焼成されたフランスパンは
窯伸びが最大化するまでにクラスト(外皮)形成され
膨らみの悪いパンが焼きあがります。
このようなパンは、火通りが悪く
水分が飛んでおらず、持ち上げた時やや重いです。
以前使用していました、東芝ERJ400には設定が2つあり
ハイブリッド石窯
通常焼成
のふたつで
ハード系パンはハイブリッド石窯を使用することにより
クープは割れていました。
しかし、新型のER-JD510では、通常通りに焼成すると
このようにクープが全く割れないフランスパンとなりました。
やや火ぶくれも生じています。
パンの内相は目が詰まり、クラムは粉臭く
クチャクチャと口の中にダマが出来るような美味しくないフランスパンとなりました。
次回のテストベーキングでは、これらデータをもとにいくつかの改善アプローチを解説いたします。
東芝オーブンER-JD510のフランスパン作りテストベーキングその2